現代のイギリスを代表するアーティスト、ケリス・ウィン・エヴァンス(Cerith Wyn Evans)による展覧会が、箱根・ポーラ美術館にて、2020年11月3日(火・祝)まで開催。同館ロビーの吹き抜けには、大型ネオン作品も展示される。
ケリス・ウィン・エヴァンスは、光や音といった非物質的な素材を用いた作品を制作しているアーティストだ。映画作家デレク・ジャーマンのアシスタントを務めていた1970年代末、実験的な映像作品を発表して作家活動を開始したウィン・エヴァンスは、90年代以降、彫刻やインスタレーション、写真、映像など、多岐にわたる表現媒体で作品を手掛けてきた。なかでもネオンを使用した大型作品でよく知られる。
ウェールズ出身のウィン・エヴァンスは、ウェールズ語と英語という複数の言語にふれて育ち、翻訳がもつ不透明性に関心を抱いてきた。ウィン・エヴァンスの作品には、言語や認識、時間への意識が通底しており、ときに明確に「引用」されるかたちでも取り入れられるのだ。
「ケリス・ウィン・エヴァンス展」は、日本国内の美術館では初となる個展。代表作であるネオン作品に加え、音を発するモビール状の作品《(A)=D=R=I=F=T》、そして写真などを用いた平面作品や立体など、多岐にわたる表現を紹介する。
なかでも注目は、ロビー吹き抜けに展示される大型ネオン作品《The illuminating Gas...(after Oculist Witnesses)》。 白く光を放ちながら圧倒的なスケールで浮遊するネオン作品は、近年のウィン・エヴァンスを象徴する仕事の1つだ。本展では、美術館の建築空間と呼応するかのような 、エレガントにして繊細な雰囲気に浸れそうだ。
また、美術館内の展示だけでなく、屋外の「森の遊歩道」内にも、幅約14mにもわたる大型ネオン作品《299792458 m/s》を設置。 箱根の豊かな自然の中を散策しつつ、ウィン・エヴァンスならではのネオン作品を楽しめる。
展覧会「ケリス・ウィン・エヴァンス展」
会期:2020年6月7日(日)〜11月3日(火・祝)
会場:ポーラ美術館 ロビー、アトリウムギャラリー、森の遊歩道
住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
TEL:0460-84-2111
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
観覧料:無料(いずれも入館前の無料スペースでの展示)
※企画展・常設展を観覧する場合は要入館料(美術館ウェブサイトを参照)
※定休日なし(臨時休館あり)
■大型ネオン作品 展示情報
ケリス・ウィン・エヴァンス《The Illuminating Gas...(after Oculist Witnesses)》
展示開始日:2020年9月7日(月)
展示場所:ポーラ美術館 ロビー