展覧会「澤田知子 狐の嫁いり」が、東京都写真美術館にて、2021年4月24日(土)まで開催される。なお、当初は5月9日(日)までの会期を予定していたが、臨時休館に伴い変更。
澤田知子は、「内面と外見の関係」をテーマに、自らの姿や顔を被写体としたポートレイト作品を中心に手がけてきた写真家だ。大学の卒業制作であり実質的なデビュー作とされる《ID400》以来、自在に変化する姿を捉えた澤田作品は国内外で高い評価を得ている。
展覧会「澤田知子 狐の嫁いり」は、公立美術館初となる澤田の大規模個展だ。原点となる《Untiled》から最新作《Reflection》までの作品を網羅し、25年間にわたるその活動を回顧するとともに、新旧の代表作を澤田自身の視点で編み直すことで、展覧会全体をひとつの新作として構成する。
デビュー作《ID400》で澤田は、「変わらないはずの内面と簡単に変わる外見」をコンセプトに、街中の自動証明写真機で400回変装して撮影を繰り返した。以後、1990年代に流行した“ガングロ”を作品化した《cover / Face》や、リクルートスーツへの違和感から生まれた《Recruit》、ロリータファッションをモチーフにした《Decoration / Face》など、切り口を変えつつも一貫して外面と内面の関係を問う作品を制作してきた。
本展では、これら澤田の作品から、“セルフィー”や“自撮り”が一般化するなかでセルフポートレイトが人びとを惹きつける理由を探るとともに、澤田の表現がもつ独自性に光をあてる。
ところで“顔”とは、個人を特定するものでもある。澤田はニューヨークに住んでいたころ、いろいろなアジア人に見間違えられたという。その経験に基づき、人は何をもって個人を判断するのかという疑問から、さまざまなアジア人に見えるよう変装した《FACIAL SIGNATURE》を制作した。
会場では《FACIAL SIGNATURE》に加えて、「どうやって人は人を判断するのか」というこの問いを引き継ぐ映像作品《影法師》を紹介。さらに、これに連なるようにして、人の“後ろ姿”から想像できるものをモチーフにした最新作《Reflection》も初公開する。
展覧会「澤田知子 狐の嫁いり」
会期:2021年3月2日(火)〜4月24日(土)
※当初は5月9日(日)までの会期を予定していたが、臨時休館に伴い変更
会場:東京都写真美術館 2階展示室
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
開館時間:10:00〜18:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜日
観覧料:一般 700円、学生 560円、中高生・65歳以上 350円
※小学生以下、都内在住の中学生および障害者手帳の所持者とその介護者(2名まで)は無料
※内容は変更となる場合あり(最新情報は美術館ホームページを確認)
【問い合わせ先】
東京都写真美術館
TEL:03-3280-0099