洋画を楽しめる、2021年の展覧会を特集。洋画とは、明治期以後の日本において西洋の様式で描かれた絵画のことであり、油彩画や水彩画を指す。代表的な洋画家には、黒田清輝や岸田劉生が挙げられよう。この記事では、東京を中心に全国の美術館で開催される展覧会から、洋画を見ることができる展示を紹介。開催情報や展示アート作品もあわせてチェックしてみて。
※最新の開館情報については、各美術館・博物館のホームページなどを確認のこと。
実業家の福富太郎は、事業の傍ら長年にわたって美術品を蒐集し、鏑木清方の美人画に代表される「福富太郎コレクション」を築き上げた。東京ステーションギャラリーの展覧会「コレクター福富太郎の眼 昭和のキャバレー王が愛した絵画」では、近代日本画・洋画約80点の作品から、福富太郎コレクションの全体像を紹介する。
なお、本展は、新潟県立万代島美術館、あべのハルカス美術館ほかにも巡回する。
・東京ステーションギャラリー
会期:2021年4月24日(土)〜6月27日(日)
住所:東京都千代田区丸の内1-9-1
※4月27日(火)〜5月30日(日)は臨時休館
・新潟県立万代島美術館
会期:2021年9月18日(土)~11月7日(日)
住所:新潟市中央区万代島5-1 万代島ビル 5階
・あべのハルカス美術館
会期:2021年11月20日(土)〜2022年1月16日(日)
住所:大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス 16階
ほか
横浜・そごう美術館の「近代日本洋画の名作選展 ひろしま美術館コレクション」は、黒田清輝の作品を起点に、大正、昭和への歩みをほぼ俯瞰できるひろしま美術館の近代日本洋画コレクションから、日本の近代洋画の歩みをたどる展覧会だ。黒田清輝の作品を筆頭に、藤島武二や岡田三郎助、岸田劉生、そして安井曾太郎や須田国太郎などの作品を展示する。
会期:2021年5月15日(土)〜7月4日(日)
会場:そごう美術館 (神奈川県横浜市西区高島2-18-1 そごう横浜店 6階)
大阪歴史博物館の特別展「あやしい絵展」は、近代化が進む日本で生まれた、「美しさ」には括れない「あやしさ」に着目した展覧会だ。洋画や日本画、版画など、幕末から昭和初期にかけて制作された美術作品を貫く「あやしさ」を紹介する。
会期:2021年7月3日(土)〜8月15日(日)
会場:大阪歴史博物館 (大阪府大阪市中央区大手前4-1-32)
京都文化博物館の展覧会「さまよえる絵筆─東京・京都 戦時下の前衛画家たち」は、戦時下の前衛画家に焦点を合わせ、東京と京都というふたつの都市で育まれた前衛絵画のひとつの流れを紹介。福沢一郎や北脇昇、難波田龍起などの作品から、時代の感覚を伝える新たな表現への試みを探る。
会期:2021年6月5日(土)~7月25日(日)
会場:京都文化博物館 (京都府京都市中京区三条高倉)
南薫造は、明治末から昭和にかけて官展の中心画家として活躍し、“日本の印象派”の評価も受けた洋画家だ。福岡・久留米市美術館の展覧会「没後70年 南薫造」は、東京では初となる大規模回顧展。現存する南の代表作のみならず、イギリス留学時代に描いた水彩画などから、南薫造の全貌を紹介する。
会期:2021年7月3日(土)〜8月29日(日)
会場:久留米市美術館 (福岡県久留米市野中町1015)
髙島野十郎は、1890年、福岡県久留米市に生まれた洋画家だ。生前には孤独と旅とを好んで画壇と交わることがなかったものの、徹底的な写実的描写に基づく独自の絵画は、没後に光をあてられることとなった。福岡・久留米市美術館の展覧会「生誕130年記念 髙島野十郎展」では、代表作など全115点の作品から、初期から晩年にまで至る野十郎の画業を紹介する。
なお本展は、奈良県立美術館、岡山・瀬戸内市立美術館、千葉・柏市民ギャラリー、群馬・高崎市美術館を巡回する。
・久留米市美術館
会期:2021年1月20日(水)〜4月4日(日)
住所:福岡県久留米市野中町1015
・奈良県立美術館
会期:2021年4月17日(土)〜5月30日(日)
住所:奈良県奈良市登大路町10-6
・瀬戸内市立美術館
会期:2021年6月5日(土)〜7月19日(月)
住所:岡山県瀬戸内市牛窓町牛窓4911
・柏市民ギャラリー
会期:2021年7月25日(日)~8月8日(日)
住所:千葉県柏市柏1-7-1 301号 Day Oneタワー 3階
・高崎市美術館
会期:2021年9月5日(日)〜11月7日(日)
住所:群馬県高崎市八島町110-27
太平洋戦争とシベリア抑留の体験を描いた「シベリア・シリーズ」を手がけ、戦後を代表する洋画家のひとりとして知られる、香月泰男。宮城県美術館の特別展「生誕110年 香月泰男展」では、「シベリア・シリーズ」全57点とともに、初期から晩年までの作品を展示し、香月の画業の全貌を紹介する。
なお、本展は、神奈川県立近代美術館 葉山、新潟市美術館ほかにも巡回する。
・宮城会場
会期:2021年7月3日(土)〜9月5日(日)
会場:宮城県美術館 (宮城県仙台市青葉区川内元支倉34-1)
・神奈川会場
会期:2021年9月18日(土)〜11月14日(日)
会場:神奈川県立近代美術館 葉山 (神奈川県三浦郡葉山町一色2208-1)
・新潟会場
会期:2021年11月27日(土)〜2022年1月23日(日)
会場:新潟市美術館 (新潟県新潟市中央区西大畑町5191-9)
ほか
北海道立三岸好太郎美術館の特別展「北菓楼30周年記念 貝殻旅行─三岸好太郎・節子展─」は、大正から昭和初期を代表する洋画家・三岸好太郎と、そのパートナーであり女流洋画家の先駆的存在として活躍した三岸節子を紹介。三岸好太郎・節子の作品を展示し、ふたりの軌跡と鮮烈な絵画世界を探る。
会期:2021年6月26日(土)〜9月1日(水)
会場:北海道立三岸好太郎美術館 (北海道札幌市中央区北2条西15丁目)