長野県立美術館では、展覧会「長野県立美術館グランドオープン記念 森と水と生きる」を、2021年8月28日(土)から11月3日(水・祝)まで開催する。
「長野県立美術館グランドオープン記念 森と水と生きる」は、新たな収集方針のひとつである「自然と人間」をテーマに、「森」と「水」を題材とした近現代の美術作品を紹介する展覧会だ。5つの章から構成される会場では、絵画や写真、インスタレーションなど、古今東西の美術作家による多彩な作品を展示し、多面的な自然の姿を展覧する。
第1章「森と山─その姿と暮らし」では、吉田博《有明山》をはじめ、自らの足で道の山々を歩き、その姿をうつしとった画家や写真家の作品、そして山や森そのものを普遍的なものと捉える作家による作品を紹介。また、多彩な表情をみせる森や山の中でたくましく生きる人間の姿を題材とした作品も目にすることができる。
神話や聖書を育む場、芸術家の原風景、あるいは作家の内面世界の表出──森林が呼び起こすイメージは、そのように多岐にわたる。第2章では、「森の幻影」をテーマに、アンリ・ルソー《エデンの園のエヴァ》などを展示する。
人間の生活と不可分な水にまつわる風景は、古来より数多くの美術作品で取り上げられてきた。第3章「水景へ─人々とその諸相」では、近代以降の日本において生みだされた、水のある風景や水の存在を題材とした作品に着目。「山水」のイメージを描く東洋美術の伝統と、西洋美術における「風景」の概念の影響をふまえつつ、小川芋銭《江村六月、雲巒烟水》などの作品を紹介する。
人間の生命に必要不可欠な水は、神話や聖書の世界を表現するさい、神聖さや象徴性を帯びたものとして描かれてきた。また、水自体が有する性質を装飾的ないし記号的に表現することも、イメージの新たな世界を育むことになった。第4章「水の精霊」ではこうした視点から、ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス《フローラ》などを展示する。
第5章「森と水─息づくものたち」では、現代作家がそれぞれの視点から探る、自然と人間の共生のあり方に着目。日高理恵子《空との距離 XIII》や岡村桂三郎《龍-降臨 17-1》をはじめとする作品から、自然と人間とがとり結ぶ関係性を考察する。
展覧会「長野県立美術館グランドオープン記念 森と水と生きる」
会期:2021年8月28日(土)〜11月3日(水・祝) 会期中に展示替えあり
会場:長野県立美術館 展示室1・2・3
住所:長野県長野市箱清水1-4-4
休館日:水曜日
開館時間:9:00~17:00
観覧料:一般 1,000円(900円)、大学生・75歳以上 800円(700円)、高校生以下・18歳未満 無料
※( )内は20名以上の団体料金
※東山魁夷館および長野県立美術館名品選との共通料金は、一般1,500円、大学生・75歳以上1,100 円
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の所持者と付添者1名は無料
【問い合わせ先】
長野県立美術館
TEL:026-232-0052