展覧会「小早川秋聲 旅する画家の鎮魂歌」が、東京ステーションギャラリーにて、2021年10月9日(土)から11月28日(日)まで開催される。その後、鳥取県立博物館に巡回する。
小早川秋聲(こばやかわ しゅうせい)は、大正期から昭和期にかけて京都を中心に活躍した日本画家であり、異色の戦争画《國之楯》を描いたことで知られている。初の大規模回顧展となる「小早川秋聲 旅する画家の鎮魂歌」では、新発見の戦争画を含む作品100点超と資料から、秋聲の清新かつ叙情的な画業を幅広く紹介する。
鳥取県日野町黒坂にある光徳寺の長男として生まれた秋聲は、京都の日本画家・谷口香嶠に入門。1909年には京都市立絵画専門学校(現京都市立芸術大学)に入学するも、ほどなく退学して中国に渡る。香嶠亡きあとは、京都画壇の巨匠・山元春挙に師事し、文展や帝展などを中心に活躍した。
また、秋聲は旅の画家でもあった。中国、欧州各国、北米の地を踏むとともに、1931年の満州事変勃発以降はたびたび戦地に赴き、従軍画家として活躍。数多く手がけたその戦争画には、戦地の実感や、生活感のある叙情性を見てとることができる。
本展では、秋聲の初期から晩年にまで至る作品を展示。京都での修業時代における緻密な歴史画に始まり、《薫風》や《愷陣》、《長崎へ航く》など、戦前に手がけた作品を紹介する。また、文展や帝展に出品された大作も目にすることができる。
さらに、叙情性ある《御旗》や、陸軍省に受け取りを拒否された経緯をもつ《國之楯》へと至る戦争画の数々を紹介するとともに、仏画や仙人などを描いた戦後の小品も展示する。
展覧会「小早川秋聲 旅する画家の鎮魂歌」
会期:2021年10月9日(土)〜11月28日(日)
会場:東京ステーションギャラリー
住所:東京都千代田区丸の内1-9-1
開館時間:10:00~18:00(金曜日は20:00まで)
※入館は閉館30分前まで
休館日:月曜日(11月22日(月)は開館)
入館料:一般 1,100円、高校・大学生 900円、中学生以下 無料
※障がい者手帳などの持参者は100円引き(介添者1名は無料)
※日時指定の事前購入制(ローソンチケットで販売、詳細については美術館ウェブサイトを参照)
※ローソンチケットの残数に余裕のある場合に限り美術館で当日券を販売
※開催内容は変更となる場合あり
■巡回情報
・鳥取県立博物館
会期:2022年2月11日(金・祝)〜3月21日(月・祝)
住所:鳥取県鳥取市東町2-124
・京都文化博物館〈終了〉
会期:2021年8月7日(土)〜9月26日(日)
住所:京都府京都市中京区三条高倉
【問い合わせ先】
東京ステーションギャラリー
TEL:03-3212-2485