展覧会「宮崎学 イマドキの野生動物」が、東京都写真美術館にて、2021年8月24日(火)から10月31日(日)まで開催される。
宮崎学は、中央アルプスの麓、上伊那郡南向村(現・中川村)に生まれた写真家だ。伊那谷の豊かな自然環境を活かして、1972年にフリーの写真家として活動を始め、現在も「自然界の報道写真家」として日本中の自然を観察している。
宮崎は、哺乳類や猛禽類の撮影において独自の分野を切り拓いてきた。また、動物の生態を通して人間社会を考察する社会性のあるテーマにも取り組んでいる。東京都写真美術館初の大規模個展となる「宮崎学 イマドキの野生動物」では、初期作品から最新作までを展示し、その活動の軌跡をたどる。
本展では、初期の〈ニホンカモシカ〉から、初公開となる最新作〈新・アニマルアイズ〉〈君に見せたい空がある〉まで、宮崎が手がけた全7シリーズ・210点を一挙紹介。「文章で長々と語るより一枚の写真から何百字、何千字という言葉を紡ぎ出せるような撮影を心がけた。」と宮崎が自ら語るように、会場では独自の自然観に基づいて「野生動物のイマ」を伝える写真表現にふれることができる。
宮崎は、野生動物の通り道に自作のロボットカメラを設置し、そこに現れる野生動物を無人で撮影することで、人間の存在を意識しない動物の素の表情や知られざる生態を捉えることに成功。その試みは、1976年から現在も続いている。
本展では、〈けもの道〉、〈倒木のけもの道〉、〈岩田の森のけもの道〉という3シリーズを紹介。さらに、「動物たちの住む森を動物の目線で見る」というコンセプトのもと、動物が残す痕跡を注意深く読み解き、人間の目が及ばない瞬間をロボットカメラによって捉えた最新作〈新・アニマルアイズ〉も、世界初公開となる。
宮崎は、生きものの「死」とは「いのち」と等しく重要なものであると捉えている。会場では、「死」に着目した宮崎作品も展示。森のなかで起こる、野生動物の死をめぐるドラマを克明に捉えたシリーズ、〈死〉と〈死を食べる〉を、時系列で紹介する。
展覧会「宮崎学 イマドキの野生動物」
会期:2021年8月24日(火)〜10月31日(日)
会場:東京都写真美術館 2階展示室
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
開館時間:10:00〜18:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(8月30日(月)、9月20日(月・祝)は開館)、9月21日(火)
観覧料:一般 700円、大学・専門学校生 560円、中高生・65歳以上 350円
※一般のみオンラインによる事前予約が可能
※学生、中高生・65歳以上、各種割引チケットの購入者、無料対象者(小学生以下、都内在住・在学の中学生および障害者手帳の所持者と介護者(2名まで)、招待券・年間パスポートの所持者)は、オンラインチケット対象外
※内容は変更となる場合あり(最新情報は美術館ホームページを確認のこと)
【問い合わせ先】
東京都写真美術館
TEL:03-3280-0099