展覧会「生誕140年 ふたつの旅 青木繁×坂本繁二郎」が、東京のアーティゾン美術館にて、2022年7月30日(土)から10月16日(日)まで開催される。その後、2022年10月29日(土)から2023年1月22日(日)まで、福岡の久留米市美術館に巡回する。
青木繁(あおき しげる)と坂本繁二郎(さかもと はんじろう)は、ともに1882年、現在の福岡県久留米市に生まれ、日本の洋画が成熟へと向かうなかでそれぞれ独自の作風を探求した画家だ。展覧会「生誕140年 ふたつの旅 青木繁×坂本繁二郎」では、約250点の作品の展示を通して、青木と坂本の生涯を時に交差させつつふたりの軌跡を紹介する。
青木繁は、東京美術学校(現・東京藝術大学)在学中に神話を題材とした作品群で画壇デビュー。美術と文学において浪漫主義的風潮が高まるなか、1904年に《海の幸》を制作、優れた構想力と大胆な表現法によって注目を集め、若くして評価される。しかし、晩年は九州地方を放浪し、中央画壇への復帰も叶わず1911年にその短い生涯を終えた。
一方で坂本繁二郎は、青木に触発されて上京し、数年遅れてデビューを果たす。1924年、3年間のパリ留学ののちに福岡に戻り、1969年に87歳の天寿を全うするまで制作を続けた。人工的な要素の強いものを嫌い、自然のままの味わいを好んだ坂本は、牛や馬、能面、月といった身近な自然や生物を題材に、淡い色彩と均質な描法によって静謐な作品世界を展開した。
66年ぶりの二人展となる本展では、デビュー作から絶筆まで、青木と坂本の作品を一挙に紹介。青木の《海の幸》や《わだつみのいろこの宮》(いずれも重要文化財)、《海》、《黄泉比良坂(よもつひらさか)》、坂本の《牛》や《放牧三馬》、《能面と鼓の胴》、《月》をはじめ、ふたりの代表作が一堂に会する機会となる。
また、青木と坂本による幻の作品群も公開。アーティゾン美術館は、青木が伎楽や舞楽などの仮面を写した作品25点を近年新たに収蔵した。本展では、これら「仮面スケッチ」と呼ばれる作品群を約40年ぶりにまとめて紹介。また、坂本の滞欧作《眠れる少女》も40年ぶりに公開される。
展覧会「生誕140年 ふたつの旅 青木繁×坂本繁二郎」
会期:2022年7月30日(土)〜10月16日(日) 前期・後期で一部作品の展示替えを実施
[前期 7月30日(土)〜9月11日(日) / 後期 9月13日(火)〜10月16日(日)]
会場:アーティゾン美術館 6・5階展示室
住所:東京都中央区京橋1-7-2
開館時間:10:00〜18:00(9月23日を除く金曜日は20:00まで)
※入館は閉館30分前まで
休館日:月曜日(9月19日(月・祝)、10月10日(月・祝)は開館)、9月20日(火)、10月11日(火)
入館料:ウェブ予約チケット 1,600円、当日チケット(窓口販売) 1,800円、学生無料(要ウェブ予約)
※日時指定予約制(2022年5月31日(火)よりウェブ予約開始)
※ウェブ予約チケットが完売していない場合のみ、美術館窓口でも当日チケットを販売
※中学生以下はウェブ予約不要
※この料金で同時開催の展覧会をすべて観覧可
※内容は変更となる場合あり(最新情報については美術館ウェブサイトを確認のこと)
■ 同時開催
石橋財団コレクション選 特集コーナー展示 田園、家族、都市
会期:2022年7月20日(水)〜10月16日(日)
■巡回情報
・久留米市美術館
会期:2022年10月29日(土)〜2023年1月22日(日)
住所:福岡県久留米市野中町1015
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600 (ハローダイヤル)