神奈川の平塚市美術館では、展覧会「現代日本画 コレクションのあゆみ」を、2022年10月29日(土)から2023年2月19日(日)まで開催する。
「現代日本画 コレクションのあゆみ」は、平塚市美術館の現代日本画コレクションから、日本画表現を革新した作家たちの作品約30点を紹介する展覧会だ。
現代の日本画では、伝統の枠にとらわれない作品が次々と生みだされた。伊藤彬や中島千波、中野嘉之は、所属団体を越えた活動を展開した「横の会」の結成に携わり、日本画の革新を試みた。その後、内田あぐりは、歪み、断片化する女性の身体を描き、重層的な画面を創出した。
また、聖書や神話を題材に二元論的世界を表現する山本直彰、樹や水といった霊的な自然存在をテーマとする斉藤典彦、仏教の神話を取り上げ、焼成した木材に夢幻的なイメージを刻む岡村桂三郎、信仰をモチーフとして日本画を制作するマコトフジムラなどの作家は、日本画における人間と自然、あるいは聖なるものが取り結ぶ関係性を提示している。
さらに会場では、現代日本の歪な都市風景を山水に見立てる三瀬夏之介や、独自の神話世界に基づく作品を創造した瓜南直子の作品も紹介する。
現代の日本画には、西洋絵画と差異化を図るために生まれたアニミズムのテーマが通底する一方、西洋美術史のモチーフを柔軟に取り入れるなど、多様な表現を見てとることができる。本展では、そうした多岐にわたる日本画表現の一端にふれることができるだろう。
展覧会「現代日本画 コレクションのあゆみ」
会期:2022年10月29日(土)〜2023年2月19日(日)
会場:平塚市美術館
住所:神奈川県平塚市西八幡1-3-3
開館時間:9:30〜17:00(最終入館は16:30)
休館日:月曜日(1月9日(月・祝)は開館)、年末年始(12月29日(木)~1月3日(火))、1月10日(火)
※12月27日(火)・28日(水)は、展示替えのため休室
観覧料:一般 200円、高大生 100円
※中学生以下、毎週土曜日の高校生は無料
※各種障がい者手帳の所持者および付添者1名は無料
※65歳以上の平塚市民は無料、市外在住者は3割引
■同時開催
・「市制90周年記念展 わたしたちの絵 時代の自画像」
会期:2022年10月1日(土)~11月27日(日)
・「冨岡奈津江展 陶のいきもの(仮)」
会期:2022年12月3日(土)~2023年4月2日(日)
【問い合わせ先】
平塚市美術館
TEL:0463-35-2111