企画展「未生(みしょう)の美─技能五輪の技」が、愛知の豊田市美術館にて、2022年10月15日(土)から11月27日(日)まで開催される。
愛知県は、製品出荷額が全国有数の工業地帯であり、なかでも豊田市は自動車産業の盛んな「モノづくり」の中心地である。古くは猿投古窯(さなげこよう)を代表とする焼き物、そして近代には養蚕業と、この地は歴史的に産業の盛んな地域であったといえる。
現在、「モノづくり」の現場においてはさまざまな工程の自動化が進み、多くの領域で人の手による作業が機械に置き換えられつつある。それでもなお、手作業の重要性が失われることはない。機械化が進み、ロボットが手作業を代行するようになろうとも、ロボットの動きを設定し、自動化されたシステムを制御するのは人間である。いわば自動化とは、人の手わざのなめらかな動きを模倣することだと捉えることもできる。
実際、製造業の企業では、機械化が進むなかにあっても重要な役割を担う人の手わざの重要性を認識し、それを社会として継承してゆくことを試みている。2年に1回開催される「技能五輪国際大会」には、訓練を重ねた若い技能労働者が世界中から集まってその腕を競う場であり、そこで生まれる「モノ」には超絶した精確さを見ることができる。
企画展「未生(みしょう)の美─技能五輪の技」では、技能五輪での製作物に加えて、技能者の手による製作物に触発された美術作家、山本糾や岩田隼之介、青木兼治らによる写真や映像作品を展示。モノづくりにおける手わざの重要性に光をあてるとともに、そこから生まれる精確さに「美」を見出し、卓越した技能によって作られる「モノ」を新しい視点から紹介する。
企画展「未生(みしょう)の美─技能五輪の技」
会期:2022年10月15日(土)〜11月27日(日)
会場:豊田市美術館
住所:愛知県豊田市小坂本町8-5-1
開館時間:10:00〜17:30(入場は17:00まで)
休館日:月曜日
観覧料:一般 300円(250円)、高校・ 大学生 200円(150円)、中学生以下 無料
※( )内は20名以上の団体料金
※障がい者手帳の所持者(介添者1名含む)、豊田市内在住または在学の高校生、豊田市内在住の75歳以上は無料(要証明)
※その他、観覧料の減免対象者および割引などについては美術館ウェブサイトを参照
※本展は、同時開催の企画展「ゲルハルト・リヒター」の観覧券で観覧可
※会期、関連事業の内容、来館者の受入態勢などは変更となる場合あり(最新情報については美術館ウェブサイトにて確認のこと)
【問い合わせ先】
豊田市美術館
TEL:0565-34-6610