兵庫県立美術館では、「2023年コレクション展I」を、2023年1月21日(土)から7月23日(日)まで開催する。
兵庫県立美術館のコレクション展では、10,000点を超える収蔵作品から、テーマを設けて幅広い時代と分野の作品を紹介している。今期は、「リアル」と「フィクション」のあいだに位置する作品に着目した特集1「虚実のあわい」、そして篆刻家・梅舒適(ばいじょてき)が収集した文物のなかから中国の明清時代の作品を紹介する特集2「中国明清の書画篆刻─梅舒適コレクションの精華─」を軸に、展示を行う。
特集1「虚実のあわい」では、現実と虚構のあいだを揺れ動く美術作品の側面に着目し、近現代の作品を紹介。「リアル」を追求しつつも「フィクション」であろうとする、あるいは逆に「フィクション」でありながら「リアル」の在り様を如実に表す、という虚実の狭間にある作品を通して、その多様な表現に光をあてる。
たとえば一般に、絵画や彫刻の写実性は、虚構である作品に現実を写し取るものだといえる。しかし、現実の似姿であることを超えて、対象の存在そのものが立ち現れる作品や、一方で現実を写し取るかのようでいて、意図的に「ズレ」を持ち込む作品もある。会場では、「リアル」の追求と脱臼という視点から、東影智裕や木下佳通代などの作品を展示する。
また、1960年代後半〜70年代にかけて興った美術動向「もの派」は、石や木片といった自然素材、あるいは縄やパイプなどの何気ない「もの」を、ほとんど加工せずに組み合わせて提示した。その作品は、イメージや意味ではなく、「もの」と「もの」、「もの」と空間、そして「もの」と鑑賞者が織りなす関係性に着目するものであった。本特集では、李禹煥や菅木志雄など、もの派の作家も紹介する。
特集2「中国明清の書画篆刻─梅舒適コレクションの精華─」では、戦後日本を代表する書家・梅舒適が独自の視点から収集した文物のなかから、中国の明清時代の優品約90件を紹介。梅舒適コレクションを大規模に公開する初の機会となる本特集では、明代中期の文人・文徴明(ぶんちょうめい)から、清代中期の揚州で活躍した書画家たち「揚州八怪」、そして中国最後の文人とされる呉昌碩(ごしょうせき)まで、書・画・篆刻を網羅的に目にすることができる。
「2023年コレクション展I」
会期:2023年1月21日(土)〜7月23日(日) 会期中に一部展示替えを実施
[前期 1月21日(土)〜4月9日(日) / 後期 4月29日(土)〜7月23日(日)]
会場:兵庫県立美術館 常設展示室(1階、2階)
住所:兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1(HAT神戸内)
開館時間:10:00〜18:00(入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(7月17日(月・祝)は開館)、7月18日(火)、メンテナンス休館(2月20日(月)〜27日(月))
※4月10日(月)〜28日(金)は閉室し、一部展示替えを実施
観覧料:一般 500円(400円)、大学生 400円(300円)、高校生以下 無料、70歳以上 250円(200円)、障がい者(一般) 100円(100円)、障がい者(大学生) 100円(50円)
※( )内は20名以上の団体料金(団体鑑賞の際は事前に連絡のこと)
※障がい者1名につき介護者1名は無料
※一般以外の料金には証明できるものを提示のこと
※特別展とのセット料金あり
※毎月第2日曜日は公益財団法人伊藤文化財団の協賛により無料
■展示構成
・特集1「虚実のあわい」(常設展示室1〜5)
・特集2「中国明清の書画篆刻─梅舒適コレクションの精華─」(常設展示室6・前期のみ)
※特集2は、メンテナンス休館中(2月20日(月)〜27日(月))に展示替えを実施
・「近現代の書」(常設展示室6・後期のみ)
・小磯良平記念室
・金山平三記念室
【問い合わせ先】
兵庫県立美術館
TEL:078-262-1011