企画展「永田コレクションの全貌公開〈一章〉北斎─『春朗期』・『宗理期』編」が、島根県立美術館にて、2023年2月3日(金)から3月26日(日)まで開催される。

若き日の北斎に着目した展覧会

島根県立美術館は2017年度に、島根県津和野町出身の北斎研究者・永田生慈(ながた せいじ)より、葛飾北斎とその門人の作品や資料2,398件の寄贈を受けた。この永田コレクションは、北斎にかんする個人コレクションとして世界屈指の規模を誇るばかりでなく、貴重な作品や資料を数多く含んでいる。

企画展「永田コレクションの全貌公開〈一章〉北斎─『春朗期』・『宗理期』編」は、永田コレクションの作品を紹介する展覧会の第1弾。「春朗(しゅんろう)期」・「宗理(そうり)期」と呼ばれる、数え20歳から45歳頃に至る若き日の北斎に焦点を合わせ、約350点の作品を一挙公開する。

北斎の習作期として位置付けられている春朗期には、師事した勝川派ばかりでなく、さまざまな画派の表現を吸収し、役者絵を中心に美人画や武者絵、黄表紙の挿絵などを幅広く手がけている。一方、勝川派を離れ、琳派の流れを汲む俵屋宗理(たわらや そうり)を襲名した宗理期には、それまであまり手がけてこなかった摺物や肉筆画などに挑戦。また、優美な女性像に象徴される叙情的な画風へと変化し、浮世絵師として大いに飛躍した。

春朗期と宗理期は、北斎の生涯のなかでも現存する作品や資料が少なく、謎の多い時期とされていた。しかし永田は、春朗期の作品を約90点、宗理期では約340点を蒐集し、それらの研究を通して北斎に新たな光をあてたのだった。

県外不出の永田コレクションを紹介する本展は、北斎の春朗期と宗理期だけに着目した初の大規模展。極めて稀少な春朗期の肉筆画を展示するほか、宗理期における第一級の摺物群「津和野藩伝来摺物」は、初の全144点公開となる。

展覧会概要

企画展「永田コレクションの全貌公開〈一章〉北斎─『春朗期』・『宗理期』編」
会期：2023年2月3日(金)～3月26日(日) 会期中に展示替えあり
［前期 2月3日(金)〜27日(月) / 後期 3月1日(水)〜26日(日)］
会場：島根県立美術館 企画展示室
住所：島根県松江市袖師町1-5
開館時間：2月 10:00～18:30 / 3月 10:00～日没後30分
※展示室への入場はいずれも閉館30分前まで
休館日：火曜日(3月21日(火・祝)は開館)
※前・後期で錦絵と摺物は全点展示替え、版本は展示箇所を変更、肉筆画は通期展示

■観覧料
・当日券
一般 企画 1,000円(800円) / 企画・コレクション展セット 1,150円(920円)、大学生 企画 600円(450円) / 企画・コレクション展セット 700円(530円)、小学・中学・高校生 無料
・オンラインチケット・前売券(会期終了まで販売予定)
一般 企画・コレクション展セット 900円、大学生 企画・コレクション展セット 600円
※オンラインチケットは美術館ホームページにて販売
※前売券は、ローソン各店(Lコード 63613)にて販売
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、被爆者健康手帳の所持者および付添者は無料

【問い合わせ先】
島根県立美術館
TEL：0852-55-4700