2014年9月20日(土)から11月30日(日)までの期間、名古屋ボストン美術館にて『美術する身体ーピカソ、マティス、ウォーホル』展が開催される。本展は、第二次世界大戦以降の美術における「人の姿」をテーマにした展覧会だ。
アンリ・マティス≪横たわる裸婦≫1946年 木炭、紙
Charles H. Bayley Picture and Painting Fund 2004.70
Photograph ©2014 Museum of Fine Arts, Boston.
時代を超えて芸術家たちの創作意欲をかきたててきたモチーフ、「身体」。深層心理を表出するため、作家が生きた時代や国によって、「人の姿」を創出する意図、託す思いは様々だ。本展覧会では、世界情勢が大きな転換期を迎えた1940年代から現在まで、ボストン美術館のコレクションより版画・油彩・彫刻・写真・映像で、美術と身体との関わりや作家たちが身体に託したものは何かを紐解いていく。
中でも見どころは、日本初公開となるピカソの晩年の傑作「サビニの女たちの略奪」。1962年、フランスでキューバ危機の報道を見たピカソが本作を描き始めたと言われており、身近で大切な人々が争いあう悲しみや苦しみ、ひいては静謐な世界への思いが込められた作品となっている。
また本展は、近代美術の父と称されるアンリ・マティスの描いた「横たわる裸婦」も展示される。彼は見たままを描くのではなく、表現主義的な絵画をいち早く確立させた人物でもある。まだ画風を確立していない30代の作品と、マティスらしさが際立つ晩年の裸婦のドローイング2作品を見比べて鑑賞することができる。
さらに、フォト・リアリズムを代表する画家の一人チャック・クロースの作品は、彼が初めて手掛けた貴重な自画像のデッサンとともに、彼の代名詞とも言える180cmを超える巨大なマス目上の自画像、計4点が登場。彼は1960年代からほぼ一貫して人の顔、特に自画像を描いてきたことで知られている。
その他、性にとらわれない身体の美しさを追求し、徹底した審美眼による数々のポートレートで絶大な支持を得た、写真家のメイプルソープやハーブ・リッツの作品、そして杉浦邦恵のフォトグラム「影のポートレート」シリーズより、現代美術家、村上隆のポートレートなども出展される。
【展覧会概要】
美術する身体ーピカソ、マティス、ウォーホル
会期:2014年9月20日(土)〜11月30日(日)
開館時間:平日 10:00〜19:00、土・日・祝・休日 10:00〜17:00 ※入館は閉館の30分前まで。9月23日(火・祝)は17:00まで。
休館日:月曜日(祝・休日の場合はその翌日) ※10月13日(月・祝)。11月3日(月・祝)、11月24日(月・振)は開館、10月14日(火)、11月4日(火)、11月25日(火)は休館日。
会場:名古屋ボストン美術館
住所:愛知県名古屋市中区金山町1-1-1
料金:一般 1,300円(1,100円)、高大生 900円(700円)、中学生以下 無料 ※()内は前売、20名以上の団体、平日17:00以降来場の割引入館料。前売券は市内プレイガイドで8月1日(金)から発売。オンラインチケットはコンビニエンスストア・チケットぴあで7月10日(木)より発売中。
TEL:052-684-0101
※PhotoGalleryの写真は全て、Photograph ©2014 Museum of Fine Arts, Boston. 。