東京のアーティゾン美術館では、石橋財団コレクション選 特集コーナー展示「青木繁、坂本繁二郎、古賀春江とその時代 久留米をめぐる画家たち」を、2020年11月3日(火・祝)から2021年1月24日(日)まで、日時指定予約制で開催する。
アーティゾン美術館の「特集コーナー展示」では、毎回テーマを設定し、収蔵品に新しい光をあてる展示を行う。「青木繁、坂本繁二郎、古賀春江とその時代 久留米をめぐる画家たち」では、洋画家の青木繁と坂本繁二郎を中心に、明治末から大正、昭和初期にかけて洋画史に足跡を残した福岡・久留米の画家の作品を紹介する。
20世紀初頭に活躍した青木繁は、美術と文学が結びつくロマン主義の代表的な画家だ。本展では、28歳で夭折した青木の代表作である《海の幸》を展示。本作は、千葉の布良海岸へ友人の坂本繁二郎らとともに写生旅行に出かけたおり、坂本が大漁陸揚げを目にした目撃談からイメージを膨らませて制作したとされる作品だ。布良の自然や風俗を受けとめ、それを荒々しい筆致と若々しさあふれる題材で表現したところに魅力がある。
また、青木は日本内外の神話に関心を持ち、学生時代には博物館に展示されていた多様な仮面を写生している。余白には解説や色彩に関するメモが見られ、日本書紀成立の頃に伝来した舞楽への強い関心をうかがわせる。本展では新収蔵品となる「仮面スケッチ」の一部を初公開するとともに、『古事記』に取材した《わだつみのいろこの宮》も展示する。
一方、坂本繁二郎は、生涯にわたって牛や馬、能面などを題材に多くの作品を残した。本展では、エメラルドグリーンの色彩が目を惹く《放牧三馬》や、能の道具を静謐な雰囲気のうちに表現した《能面と鼓の胴》などを展示。さらに、最晩年の坂本が「月」をテーマに描いた作品群から、絶筆となった《幽光》を初公開する。
そのほか、日本のシュルレアリスムの代表的画家として知られることになる古賀春江の《二階より》や、松田諦晶、髙島野十郎、髙田力蔵の作品を交え、久留米が育んだ豊かな洋画の世界を紹介する。
石橋財団コレクション選 特集コーナー展示
「青木繁、坂本繁二郎、古賀春江とその時代 久留米をめぐる画家たち」〈日時指定予約制〉
会期:2020年11月3日(火・祝)~2021年1月24日(日)
会場:アーティゾン美術館 4階 展示室
住所:東京都中央区京橋1-7-2
開館時間:10:00〜18:00(入館は閉館30分前まで)
※金曜日の夜間開館は当面のあいだ休止
休館日:月曜日(11月23日(月・祝)、1月11日(月・祝)は開館)、11月13日(金)、11月24日(火)、年末年始(12月28日(月)〜1月4日(月))、1月12日(火)
■入館料:日時指定予約制・期間により異なる
〈2020年11月3日(火・祝)〜11月12日(木)〉
4階展示室のみ公開、6・5階展示室は休室
価格:一般 ウェブ予約チケット 500円 / 当日チケット(窓口販売) 500円、学生 無料(要ウェブ予約)
※9月3日(木)より販売開始
〈2020年11月14日(土)〜2021年1月24日(日)〉
「琳派と印象派」展を同時開催(下記料金で同時開催の展覧会をすべて観覧可)
価格:一般 ウェブ予約チケット 1,700円 / 当日チケット(窓口販売) 2,000円、学生 無料(要ウェブ予約)
※9月14日(月)より販売開始
※価格はいずれも税込
※中学生以下はウェブ予約不要
※ウェブ予約チケットが完売していない場合のみ、美術館窓口でも当日チケットを販売
■日時指定予約制
時間枠:(1) 10:00〜11:30 (2) 12:00〜13:30 (3) 14:00〜15:30 (4) 16:00〜17:30
・指定した時間枠内であればいつでも入館可
・入館後は閉館まで時間制限なく鑑賞可
予約:アーティゾン美術館ウェブサイトにて
・大学生・専門学校生・高校生は入館時間枠の予約が必要(入館時に学生証または生徒手帳を提示)
・中学生以下はウェブ予約不要
・障がい者手帳の所持者と付添1名は無料だが、入館時間枠の予約が必要(入館時に障がい者手帳を提示)
※注意事項に関しては、美術館サイトを確認
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)