映画『モーリタニアン 黒塗りの記録』が、2021年10月29日(金)よりTOHO シネマズ 日比谷ほかにて全国公開。
映画『モーリタニアン 黒塗りの記録』は、第78回ゴールデングローブ賞にて俳優部門2部門のノミネートを果たした話題作。9.11アメリカ同時多発テロに関与した疑いでグアンタナモ収容所に収監されたモーリタニア人の青年・モハメドゥ・スラヒと、彼を救うべく奮闘する弁護士たちの姿を描いた、実話に基づく法廷サスペンスだ。
映画『モーリタニアン 黒塗りの記録』の題材となったのは、実際に2015年に出版されたある1冊の手記。アメリカ政府による検閲で多くが塗りつぶされたこの手記の著者こそ、当時キューバのグアンタナモ米軍基地に収容されていたモハメドゥ・スラヒ本人だ。異例尽くしのこの本は、瞬く間にアメリカで大ベストセラーを記録。その後、世界20か国で刊行され、今回映画化されるに至った。
監督は、ドキュメンタリーに定評があり『ブラック・セプテンバー/五輪テロの真実』でアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞したケヴィン・マクドナルドが務める。
2005 年、弁護士のナンシー・ホランダーはアフリカのモーリタニア出身、モハメドゥ・スラヒの弁護を引き受ける。モハメドゥは9.11の首謀者の1人として拘束されたが、裁判は一度も開かれておらず、キューバのグアンタナモ収容所で地獄のような投獄生活を何年も送っていた。ナンシーは「不当な拘禁」だとしてアメリカ合衆国を訴える。
時を同じくして、テロへの“正義の鉄槌”を望む政府から米軍に、モハメドゥを死刑判決に処せとの命が下り、スチュアート中佐が起訴を担当することに。真相を明らかにして闘うべく、両サイドから綿密な調査が始まる。モハメドゥから届く手紙による“証言”の予測不能な展開に引き込まれていくナンシー。ところが、再三の開示請求でようやく政府から届いた機密書類には、愕然とする供述が記されていた。
キャストは、『モーリタニアン 黒塗りの記録』でゴールデングローブ賞助演女優賞に輝いたジョディ・フォスター、主演男優賞ノミネートを果たしたタハール・ラヒム。そして映画『ドクター・ストレンジ』で知られ、最新作『クーリエ:最高機密の運び屋』の公開も控えるベネディクト・カンバーバッチは、出演キャストであると共にプロデューサーも務める。
ナンシー・ホランダー(ジョディ・フォスター)
9.11の首謀者の1人として拘束されたが無実を訴えるモハメドゥの弁護を引き受ける弁護士。
テリー(シャイリーン・ウッドリー)
ナンシーの助手。
モハメドゥ(タハール・ラヒム)
9.11同時多発テロの勧誘担当者だったといわれる、アフリカ・モーリタニア出身の人物。グアンタナモ収容所で3年間拘束されるが、無実を訴える。
スチュアート(ベネディクト・カンバーバッチ)
テロの再発を恐れるアメリカ合衆国に「モハメドゥを必ず死刑に」と厳命される中佐。9.11テロで友を失う。
モハメドゥの著書を読んで惚れ込んだカンバーバッチが、「これは映画化すべきだ。誰が映画化権を持っているのか調べなきゃいけない」と急ぎ獲得に動いたという『モーリタニアン 黒塗りの記録』。「初めて脚本を読んだときには泣いたよ。素晴らしいストーリーだった。彼はヒーローだ。一人の俳優として、そして一人の人間として、僕は、このストーリーは語られるべきだと思った」と語るラヒムの言葉からも、俳優陣の並々ならぬ思いが伝わってくる。