企画展「人間の才能 生みだすことと生きること」が、滋賀県立美術館にて、2022年1月22日(土)から3月27日(日)まで開催される。
企画展「人間の才能 生みだすことと生きること」は、滋賀県立美術館のコレクションの4つの軸のうち、「アール・ブリュット」に焦点を合わせた展覧会だ。
アール・ブリュット(art brut)とは、美術の専門的な教育を受けていない人による「生の」芸術であるとされる。本展では、時代の流れに囚われず、つくりたいという真摯な欲求に基づいて独自の方法論で生みだされた作品を紹介。アール・ブリュットという概念をあくまで相対的に捉え、その根底にあって、人間の特質のひとつである「つくる」ということについて考えてゆく。
本展では、国内外で注目を集める日本のアール・ブリュットの作家を紹介。ハサミで紙を櫛状に切ることでふわりと繊細な立体物を生みだす藤岡祐機、ユーモラスな表情を浮かべる粘土の生き物のようなオブジェをつくる澤田真一、恐竜の骨や骸骨、動物、そしてさまざまなキャラクターを描きこんだ大型作品を手がける鵜飼結一朗など、9名の作家による作品を目にすることができる。
もともとアール・ブリュットは、フランスの芸術家ジャン・デュビュッフェによって提唱され、広められた言葉である。本展では、その言葉の定義を紹介したうえで、これと「アウトサイダー・アート」という英語の言葉との重なりや差異について紹介。また、コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)が2014年のDMで特集するクリエイターとして、イギリスのアール・ブリュット専門誌『RAW VISION』を取り合げた事例にもふれ、美術史の枠にとどまらないアール・ブリュットに対する認識の歴史について紹介する。
さらに本展では、アール・ブリュットを相対化する作家やプロジェクトにもフォーカス。眼の見えない人に絵を描いてもらう短編映画『Blindly』を制作したポーランドのアルトゥル・ジミェフスキなどを紹介し、アール・ブリュットという概念について再考するとともに、人間の創造活動の根源を探ってゆく。
企画展「人間の才能 生みだすことと生きること」
会期: 2022年1月22日(土)〜3月27日(日)
会場:滋賀県立美術館 展示室3
住所:滋賀県大津市瀬田南大萱町1740-1
開館時間:9:30〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は開館し、翌日休館)
観覧料:一般 1,300円(1,100円)、高校・大学生 900円(700円) 小・中学生 700 円(500円)
※( )内は20名以上の団体料金
※内容は変更となる場合あり(詳細については美術館ホームページを確認のこと)
■出品作家
井村ももか、鵜飼結一朗、岡﨑莉望、小笹逸男、上土橋勇樹、喜舍場盛也、古久保憲満、小松和子、澤井玲衣子、澤田真一、アルトゥル・ジミェフスキ、冨山健二、中原浩大、福村惣太夫、藤岡祐機、山崎孝、吉川敏明
【問い合わせ先】
滋賀県立美術館
TEL:077-543-2111