東京国立近代美術館では、所蔵作品展「MOMATコレクション」を、2022年3月18日(金)から5月8日(日)まで開催する。
13,000点を超える東京国立近代美術館の所蔵作品から、選りすぐりの約200点を展示する「MOMATコレクション」。会期ごとに12の部屋に分けて、明治から現代に至る日本美術の展開を、海外作品を交えつつ紹介している。
今期の「MOMATコレクション」では、2020年度に収蔵されたピエール・ボナールの絵画作品《プロヴァンス風景》(1932年)を初公開。19世紀末から20世紀半ばにかけて活躍したフランスの画家ボナールは、60年近くにわたる画業のなかで、何度か作風を変化させた。とりわけ1920年代以降の作品は、豊麗な色彩や抽象度の高い表現を特徴としている。
会場では、ボナールが好んで用いた紫や黄色に加えてさまざまな階調の色彩を使用し、それらを緊張感のある画面にまとめた《プロヴァンス風景》を展示。さらに展示室(2Fギャラリー4)では、日本画や洋画、現代の絵画もあわせて計23点を展示する。
また、戦後日本の漫画と美術をテーマとした小特集「白い漫画、黒い漫画」も開催。1950年代の日本では、漫画という表現が美術業界から注目を集めた。社会や人間といった主題を戯画的に表す美術作品が続々と現れた当時、版画やペン画でモノクロームの表現を手がけた作家が多かったこともあり、絵画と漫画は密に接近したのだった。
これを芸術がもつ社会批評の力だと捉えた批評家・瀧口修造は、この動向を「黒い漫画」と命名。しかし1960年代に入り、子ども向けの週刊漫画誌が流行するようになると、漫画はより明るく、動きのあるコマ表現を発達させる一方、絵画はそうした漫画から距離をとり、漫画的な表現を作中に応用するようになる。
本展では、岡本太郎や間所紗織など、1950年代から70年代までの戯画的な美術作品と、同時代に活躍した久里洋二や真鍋博といった作家の漫画冊子を、50点以上紹介する。
所蔵作品展「MOMATコレクション」
会期:2022年3月18日(金)〜5月8日(日)
会場:東京国立近代美術館 所蔵品ギャラリー 4階〜2階
住所:東京都千代田区北の丸公園3-1
開館時間:10:00〜17:00(金・土曜日は10:00〜20:00)
※入館は閉館30分前まで
休館日:月曜日(3月21日(月・祝)・28日(月)、5月2日(月)は開館)、3月22日(火)
観覧料:一般 500円(400円)、大学生 250円(200円)
※( )内は20名以上の団体料金
※金・土曜日の17:00以降は割引料金:一般 300円、大学生 150円
※高校生以下および18歳未満、65歳以上は無料
※障害者手帳の提示者とその付添者(1名)は無料
※開催内容や開館時間などは変更となる可能性あり(最新情報については美術館ウェブサイトにて確認のこと)
■同時開催
・企画展「没後50年 鏑木清方展」
会期:2022年3月18日(金)〜5月8日(日)
※9:30開場
※企画展のチケットで、入館当日に限り所蔵作品展「MOMATコレクション」、コレクションによる小企画「新収蔵&特別公開|ピエール・ボナール《プロヴァンス風景》」も観覧可
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600 (ハローダイヤル)