2014年2月28日(金)から6月15日(日)まで、東京ミッドタウン・ガーデン内の21_21 DESIGN SIGHTにて、企画展「コメ展」が開催される。ディレクターの1人は、あの「デザインあ展」でもおなじみ、グラフィックデザイナーの佐藤卓。
私達の暮らしにとって欠かせない食材であるコメ。日本では、コメを中心とした食文化を深めつつ、稲作の歴史とともに様々な文化が発展してきた。しかし意外にも、一般的な日本人のコメに対する知識はそれほど深くないのが現状だ。
樅から目を覚ました稲の住む水田は、様々な生き物の生態系を受け入れ育むとともに、水害を防ぐ貯水機構や、温暖化を抑える調温装置として、自然のサイクルを支えている。私達がいつも美味しく食べているお茶碗1杯のご飯もしかり。稲穂3株分、約3000粒のコメに相当するこの茶碗1杯のためには、これまでにコメ作りに携わってきた人々の弛まぬ努力や工夫と、循環する膨大な地球のエネルギーが蓄積されている。
左)「コメ展のための映像」 ©Yamanaka Yu 右)「コメマンダラ」 (Photo: Yusuke Nishibe)
「まったくのいきもの、まったくの精巧な機械」※。自らコメづくりをする中で、宮沢賢治は稲の本質をこう言い当てた。私達の生命と文化を繋ぎ、形成していく緻密な環境システムには、人が学ぶべきデザインのヒントが秘められている。
激変する地球環境とライフスタイルや価値観の転換期を迎え、主食としてのコメの位置づけが揺らぐ今日。本展では、日本文化の根幹をなすコメのありようを、新鮮な目で見つめなおし、そこに未来を切り開く多くの「糧」を模索する。
※宮沢賢治『春と修羅・第三集』「和風は河谷いっぱいに吹く」より引用
【展覧会情報】
21_21 DESIGN SIGHT 企画展「コメ展」
会期:2014年2月28日(金)~6月15日(日)
会場:21_21 DESIGN SIGHT(東京ミッドタウン・ガーデン内)
住所:東京都港区赤坂9-7-6
時間:11:00~20:00(入場は閉館の30分前まで)
※4月19日(土)は、六本木アートナイトにあわせ24:00まで開館延長
休館日:火曜日 ※但し4月29日(火)・5月6日(火)は開館
入場料 : 一般 ¥1,000 / 大学生 ¥800 / 中高生¥500 / 小学生以下無料
※身体障害者手帳を持った方とその付添者1名は無料。
URL : www.2121designsight.jp