展覧会「ロートレックとミュシャ パリ時代の10年」が、2022年10月15日(土)から2023年1月9日(月・祝)まで大阪中之島美術館にて開催される。
「ロートレックとミュシャ パリ時代の10年」は、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックとアルフォンス・ミュシャが芸術の都パリで活躍した1891年から1900年までの10年間に着目し、それぞれ共通して取り組んでいた石版画(リトグラフ)ポスターを紹介する展覧会。
わずか10年の内に発表されたトゥールーズ=ロートレック作の全ポスター作品31点が一堂に集結する他、大阪中之島美術館寄託のサントリーポスターコレクションならではの、刷りの過程や試し刷りの段階の作品も展示。アトリエ、印刷会社、クライアントなど作品制作を取り巻く多彩な点にもフォーカスしつつ、ベル・エポックの双璧をなすトゥールーズ=ロートレックとミュシャ、2人のポスター作家の活動を比較しながら実像に迫っていく。
トゥールーズ=ロートレックは1891年に第1号ポスターとなる《ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ》を制作し、高い評価を得たのを機に石版画に打ち込んでいく。一方、挿絵画家として活動していたミュシャは、3年後の1894年のクリスマス・シーズンに依頼を受け、劇場ポスター《ジスモンダ》を制作し大評判に。奇遇にも、トゥールーズ=ロートレック、ミュシャは両者ともに、ポスター第1作目によって脚光を浴び時代の寵児となっていった。
1895年から1897年までの間には、2人の出会いの最大の鍵となる文芸雑誌『ラ・プリュム』が主催する美術ギャラリー「サロン・デ・サン」にて展示を開催。この時代はトゥールーズ=ロートレック、ミュシャともに様々なオファーによる石版画を制作しており、展覧会へ出品するだけでなく、個展も開催するなど精力的な活動を見せた。
会場には、トゥールーズ=ロートレック最後のポスターとされる、1900年発表の《学生たちの舞踏会》も登場。当時はトゥールーズ=ロートレックの健康状態が悪化していった時期でもあり、ドローイングにて制作を行った。その翌年の1901年に、トゥールーズ=ロートレックは36歳にして息を引き取る。
一方、ミュシャは1900年開催のパリ万国博覧会でオーストリア館、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ館で大いに活躍し、フランツ・ヨーゼフ1世勲爵士に任じられる。万博を機に、故郷チェコのために制作する決意を新たにしたミュシャは、パリからアメリカへと渡った後、チェコへと移住する。1902年に発表された『装飾資料集』はパリ時代の集大成ともいえる作品で、成熟したミュシャの装飾様式を目にすることができる。
【詳細】
「ロートレックとミュシャ パリ時代の10年」
会期:2022年10月15日(土)~2023年1月9日(月・祝)
会場:大阪中之島美術館 4階展示室
住所:大阪府大阪市北区中之島4-3-1
開館時間:10:00~17:00
※入場は16:30まで。
休館日:月曜日(1月2日、1月9日は開館)、12月31日(土)、1月1日(日・祝)
※災害などにより臨時で休館となる場合あり。
観覧料:一般 1,600円(1,400円)、高大生 1,300円(1,100円)、小中生 無料
※カッコ内は20名以上の団体料金。
【問い合わせ先】
大阪市総合コールセンター
TEL:06-4301-7285