展覧会「佐藤時啓─八戸マジックランタン─」が、青森の八戸市美術館にて、2023年1月9日(月)まで開催される。
佐藤時啓(さとう ときひろ)は、1957年山形生まれの美術家・写真家だ。写真装置の原理への関心を起点に、ピンホールカメラやカメラ・オブスクラ、長時間露光などを用い、光、時間、空間、そして身体などをテーマとした写真表現を手がけてきた。その個展「佐藤時啓─八戸マジックランタン─」では、6年に及ぶ制作期間を経て撮影された、八戸を舞台とする作品を紹介する。
たとえば「Magic Lantern」シリーズは、ろうそくやランプの光とレンズを用いて、ガラスに描かれた絵を投影する装置「マジックランタン(幻燈機)」に着想。これまで佐藤が手がけてきた長時間露光による撮影手法を踏襲しつつ、八戸三社大祭や八戸えんぶりといった八戸の代表的な祭りを、工場や港などの風景に重ね合わせることで、新たな風景表現を展開している。
一方、「Camera Lucida」シリーズでは、前方の景色を手元に映しだす光学装置の構造を用いて、地面に散った桜の花びらの上に頭上の桜の木が重なるよう撮影。さらに「An Hour Exposure」シリーズでは、祭りや漁船などを長時間露光で撮影することによって、瞬間的な形ではなく平均化された風景として捉えている。本展ではこうした作品から、八戸という地域に潜在する歴史や文化的意識にふれることができるだろう。
展覧会「佐藤時啓─八戸マジックランタン─」
会期:2022年10月29日(土)~2023年1月9日(月)
会場:八戸市美術館
住所:青森県八戸市大字番町10-4
開館時間:10:00〜19:00
※12月28日(水)~1月4日(水)のあいだは10:00~17:00
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:火曜日(1月3日(火)は開館)、12月31日(土)、1月1日(日・祝)
観覧料:一般 800円(650円)、大学生・専門学校生 400円(300円)
※( )内は20名以上の団体料金
※ナイト割:毎日17:00以降は半額
※11月3日(木・祝)、12月24日(土)は観覧無料
※八戸市内と近隣町村(三戸町、五戸町、田子町、南部町、階上町、新郷村、おいらせ町)の65歳以上、障がい者手帳の所持者および付添者1名は半額
【問い合わせ先】
八戸市美術館
TEL:0178-45-8338