左) スュザンヌ・ヴァラドン《窓辺のジュルメーヌ・ユッテル》1926年 油彩、キャンヴァス 80.8×65㎝ 個人蔵
右) スュザンヌ・ヴァラドン《コルト通り12番地、モンマルトル》1919年 油彩、キャンヴァス 92×73㎝ 個人蔵
2015年4月18日(土)から6月28日(日)までの間、東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館にて、展覧会「ユトリロとヴァラドン―母と子の物語―スュザンヌ・ヴァラドン 生誕150年―」が開催される。
パリの風景を詩情豊かに描くモーリス・ユトリロは、日本で圧倒的な人気を誇る。本展では、ユトリロのみならず、彼の母親であり画家のスュザンヌ・ヴァラドンにも焦点を当て、日本初公開の作品を含む、約80作品が展示される。
左) スュザンヌ・ヴァラドン《裸婦の立像と猫》1919年 油彩、キャンヴァス 61×50㎝ 個人蔵
右) スュザンヌ・ヴァラドン《花瓶の中のリラの花束》1930年 油彩、キャンヴァス 81×65㎝ 個人蔵
スュザンヌはサーカスで曲芸師をしていたが、怪我をして退団。その後ルノワールやロートレックなどのモデルを務め、自らも絵を描くようになった。当時はタブーとされていた女性が描く裸婦像や、ドガも絶賛するほどのデッサンなど、力強い人物画を得意とした。一方で、恋多き女性でもあった。
絵画と恋愛に忙しいスュザンヌのもとに生まれたユトリロは、10代の頃から寂しさを紛らわすため飲酒癖があった。アルコール依存の治療として始めた絵画であったが、サクレ=クール寺院やモンマルトルなどの名所を、柔らかな色彩で描いた風景画は、人の心を揺るがす力を持つ。
スュザンヌ・ヴァラドン《野うさぎとキジとりんごのある静物》1930年 油彩、キャンヴァス 73×92㎝ 個人蔵
会場には、スュザンヌが描いた『コルト通り12番地、モンマルトル』や『裸婦の立像と猫』、そしてユトリロが描いた『サン=ピエール教会とサクレ=クール寺院、モンマルトル』や『コルト通り、モンマルトル』などが、日本初公開。性格も画風も異なり、影響関係がなかったといわれる両者だが、実際はどうだったのか。ぜひ足を運んで、作品を鑑賞してみてはいかがだろう。
【展覧会詳細】
ユトリロとヴァラドン―母と子の物語―スュザンヌ・ヴァラドン 生誕150年―
開催期間:2015年4月18日(土)~6月28日(日)
時間:10:00~18:00
※金曜日は午後8時まで。入館は閉館30分前まで。
休館日:月曜日 ※ただし、5月4日は開館。
会場:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
住所:東京都新宿区西新宿1-26-1 損保ジャパン日本興亜本社ビル42階
入館料:一般 1,200円(1,000)円、大学・高校生 800(650)円、中学生以下 無料、65歳以上 1,000円
※( )内は前売りおよび20名以上の団体料金。