企画展「水を描く ―広重の雨、玉堂の清流、土牛のうずしお―」が2018年7月14日(土)から9月6日(木)まで山種美術館にて開催される。
企画展「水を描く ―広重の雨、玉堂の清流、土牛のうずしお―」では、海、川、滝、雨など“水”を表現した日本絵画を紹介。江戸時代の浮世絵から近・現代の日本画まで、躍動する波や、光を反射する水面など多彩な“水”の表現を一度に楽しめる。暑い夏にぴったりな、清涼感のある展示となっている。
川端龍子の《鳴門》と、奥村土牛の《鳴門》は、同じ鳴門海峡の渦潮を題材にした作品。川端龍子は、しぶきをあげながら渦を巻く水の流れを力強く描いているのに対し、奥村土牛は淡い色使いによる陰影で深みを表現しているのが見て取れる。秋の奥入瀬渓流を描いた奥田元宋の《奥入瀬(秋)》にも、生き生きとした水の動きが見られる。
春の穏やかな川の様子を切り取った川合玉堂の《渡頭の春》や、静かな水辺を描いた東山魁夷の《緑潤う》は、清らかな水の表情を楽しめる作品。一方、千住博の《ウォーターフォール》や奥村土牛の《那智》は、勢いよく流れ落ちていく滝をダイナミックに描き、水の神秘的な雰囲気を表現している。
歌川広重(初代)は、《東海道五拾三次之内 庄野・白雨》[前期展示]や《名所江戸百景 大はしあたけの夕立》[後期展示]など激しく降る夕立と、その中を耐えながら行き交う人々を描いた。川合玉堂の《渓雨紅樹》は、雨に煙る山路を柔らかなタッチで叙情的に映し出した作品。木々の色彩と、靄がかかったように描かれた雨がコントラストを生み出している。(※作品はいずれも山種美術館蔵)
企画展「水を描く ―広重の雨、玉堂の清流、土牛のうずしお―」
会期:2018年7月14日(土)~9月6日(木)
※会期中、一部展示替えあり(前期:7月14日(土)~8月5日(日)、後期:8月7日(火)~9月6日(木))
会場:山種美術館
住所:東京都渋谷区広尾3-12-36
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日 ※但し、7月16日(月)は開館、7月17日(火)は休館
入館料:一般 1,000(800)円・大高生 800(700)円・中学生以下無料
※()内は20名以上の団体料金、および前売り料金。
※障がい者手帳、被爆者健康手帳の提示者、およびその介助者(1名)は無料。
※リピーター割引:本展使用済入場券(有料)の提出で、会期中の入館料が団体割引料金。(1名1枚につき1回限り有効)
※きもの・ゆかた割引:会期中、きもの・ゆかたで来館すると、団体割引料金。
※複数の割引の併用は不可。