展覧会「原三溪の美術 伝説の大コレクション」が、横浜美術館にて、2019年7月13日(土)から9月1日(日)まで開催される。
「原三溪の美術 伝説の大コレクション」展では、横浜において生糸貿易や製糸業などで財をなした実業家・原三溪旧蔵の美術品や茶道具といったコレクション約150件を紹介。原三溪が生涯のうちに購入した美術品は、5,000点を優に超えるともいわれるが、コレクションは没後に分散。原三溪の旧蔵品が、この規模で一堂に会するのは今回が初めてとなる。
中でも、25件以上の出品作品が国宝や重要文化財など国指定文化財に指定されており、原三溪の審美眼の確かさを裏付けている。国宝の《孔雀明王像》は、所有者であった元蔵相の井上馨から、当時としては破格の1万円で購入した作品。毒蛇を食べ甘露にしてしまう孔雀を神格化した「孔雀明王」は広く信仰され、美術品にしばしば取り入れられたモチーフで、この《孔雀明王像》は藤原中期の代表品だと原三溪は評価している。
その他、国宝の《寝覚物語絵巻》、重要文化財の伝本阿弥光悦《沃懸地青貝金貝蒔絵群鹿文笛筒》、伝毛益《蜀葵遊猫図》など、原三溪の目利きが光る珠玉の名品が勢揃いする。
また、原三溪は“コレクター”としてだけでなく、“茶人”“パトロン”“アーティスト”としても、芸術と関わりを持っていた。大正時代には茶の湯の世界に入り、自ら構想した茶室「蓮華院」の完成を記念して茶事を開催。以後、熱心に茶道具の収集を続け、大規模な収集活動を終えた後も継続的に茶道具を購入した。
さらに、岡倉天心を通じて日本美術院の名誉賛助会員となった後、同院の美術家を中心に支援したり、自らも筆をとって書画を制作したりと、様々な側面から芸術に関わる活動を行った。原三溪のクリエイティビティが結実したともいえるのが、古建築を移築させて作った日本庭園「三溪園」だ。「三溪園」は自らの創造の源となるだけでなく、開園当時は万人に無料で開放され(現在は有料)、作家支援の現場としての役割も果たした。
横浜美術館開館30周年記念 生誕150年・没後80年記念
「原三溪の美術 伝説の大コレクション」
会期:2019年7月13日(土)〜9月1日(日)
会場:横浜美術館
住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
開館時間:10:00〜18:00 ※入館は17:30まで
※毎週金曜・土曜は20:00まで開館(入館は19:30まで)
休館日:木曜日
観覧料(当日券/前売券/団体券):
一般 1,600円/1,400円/1,500円、大学・高校生 1,200円/1,000円/1,100円、中学生 600円/400円/500円
※小学生以下無料
※65歳以上の当日料金は1,500円(要証明書、美術館券売所でのみ販売)
※団体は有料20名以上の料金(要事前予約、美術館券売所でのみ販売)
※毎週土曜日は高校生以下無料(要生徒手帳、学生証)
※障がい者手帳を持参者と介護者(1名)は無料
※観覧当日に限り企画展の観覧券で「横浜美術館コレクション展」も観覧可
※前売券販売期間:2019年5月13日(月)〜7月12日(金)
【問い合わせ先】
横浜美術館
TEL:045-221-0300