池崎一世・佐藤麻優子・染井冴香展 「whereissheus(ウェアイズシーアス)」が、東京・銀座のガーディアン・ガーデンにて2022年2月8日(火)から3月19日(土)まで開催される。入場は無料。

3名の写真家によるポートレートの展覧会

池崎一世・佐藤麻優子・染井冴香展 「whereissheus」は、写真家3人から成るアーティスト・コレクティブによる、ポートレートを中心とした展覧会。

年齢、生活環境、性格、考え方も全く異なる池崎一世・佐藤麻優子・染井冴香の3人が“写真”を共通項に意気投合し、タッグを組んで制作した写真作品を展示する。3人の写真家は2019年から約2年にわたって対話を重ねながら作品を制作。対話の中で相手の中に自らを見るような体験をしながら、それぞれの視点を作品の中に投影させた。

過去の記憶から連想される学校やニュータウンを背景に

作家自身を被写体にしたポートレート作品は、学校、公園、ホテル、自宅近くの森、ニュータウンなど、過去の記憶から連想される場所を背景に撮影。互いに撮影し合ったり、カメラを交換したりしながら撮影を進行した。

“自分ではない他者”の社会的役割を演じた写真

教室の机に座っている様子を写した写真や家族写真、門を開けて外に出ようとしているところを後ろから撮った写真など、何気ない瞬間を撮ったポートレートのように見える写真の数々は、全て作家が“自分ではない他者の役割”を演じて撮影したものであり、写真には演劇性が内包されている。

写真の中で、家族における父、母といった役割や、恋人、労働者、女性、男性、子ども、大人などを示唆することで、社会規範が求める様々な枠組みに対する強烈な違和感を発しているようにも解釈できる。

異なる価値観の3人が集まり、対話を基に互いの記憶を混じり合わせながら“他者”に成り代わって撮影をした写真は、“誰でもない誰か”が“誰でもない誰か”を撮った写真。そこに明確な肯定や否定は存在せず、ただ静かに“とある誰か”のことをまなざす視点を見て取ることができる。

尚、池崎一世・佐藤麻優子・染井冴香展 「whereissheus」は、若手表現者を応援するガーディアン・ ガーデンの公募展入選者の中から、作家のその後の活動を伝える「The Second St age at GG」シリーズの第52回目となる展示だ。

過去に、池崎一世は人との関係性や家族のあり方をテーマとする作品で第5回写真「1_WALL」ファイナリストに選出され、佐藤麻優子は、人生に対する焦燥感や等身大の感覚を表現した作品で第14回グランプリを受賞。染井冴香は空虚な世界を表したインスタレーションで第13回ファイナリストに選ばれた経歴を持っている。

評論家・光田由里を交えた作家3名のトークイベントをライブ配信

展覧会関連イベントとして、池崎一世・佐藤麻優子・染井冴香の3名と、戦後美術史・写真史を専門とし展覧会企画なども手がける美術評論家の光田由里によるトークイベントが、2022年2月15日(火)に完全予約制でオンライン配信される。事前に予約すれば、作品にまつわる作家たちのトークを無料で聞くことができる。展覧会と合わせて要チェックだ。

【詳細】
池崎一世・佐藤麻優子・染井冴香展 「whereissheus」
会期：2022年2月8日(火)～3月19日(土) ※日曜・祝日休館
会場：ガーディアン・ガーデン
住所：東京都中央区銀座7-3-5 ヒューリック銀座7丁目ビルB1F
時間：11:00～19:00
※2月15日(火)はトークイベント準備のため、ギャラリーの開館は18:30まで
入場料：無料

■トークイベント「写真を通した3人の距離感」(オンライン配信) ※要予約、無料
開催日時：2022年2月15日(火) 19:10～20:40
登壇者：光田由里(美術評論家)、池崎一世、佐藤麻優子、染井冴香
予約URL：https://peatix.com/event/3109154/