TABLOID GALLERYで、2013年12月10日(火)から21日(土)まで、クリスト・アンド・ジャンヌ=クロードの展覧会が開催される。
クリストとジャンヌ=クロードは、『囲まれた島々』('83)『包まれたポン・ヌフ』('85)『アンブレラ』('91)『包まれたライヒスターク』('95)『ゲート』('05)など、野外空間での大規模な環境アートで知られるアメリカのアーティスト。
1935年ブルガリアに生まれ、共産党政権下、ソフィアの芸術アカデミーで学んだクリストは、留学先のプラハで、秘密裏に目にすることのできたピカソやミロなど、当時の革新的な作品に衝撃を受けた。表現の自由を求めてたどり着いたパリで、同年生まれのジャンヌ=クロード(フランス人の両親のもとモロッコに生まれる。2009年没)と出会い、共同制作を開始した。
ケルンの港に置かれたドラム缶や積み荷を利用した『積まれたドラム缶と埠頭のパッケージ』('61)や、ドラム缶の壁でパリ市街の道路を封鎖する『ドラム缶の壁=鉄のカーテン』('62)は、彼ら独自のアイデアが現実となった最初期の作品。その後に続く公共のモニュメントや建物の梱包、また千数百個から数十万個ものドラム缶を積み上げる『マスタバ』といった大規模なプロジェクトの原点となった。
1970年代以降、布を使う彼らのアイデアは新たな展開を見せる。谷間に張られたオレンジ色の『ヴァレーカーテン』('72)、全長約40kmにもおよぶ『ランニングフェンス』('76)、11の小島が点在する湾を舞台にした『囲まれた島々』('83)、日米双方で同時に公開された高さ6m、計3,100本の『アンブレラ』('91)、N.Y.セントラルパークに立ち並ぶ7,500基を超える『ゲート』('05)など、いずれも構想から実現までに、許可獲得や技術面、物資面での準備など、何年もの歳月と莫大な資金を費やして生み出された独創的なアート作品は、世界中の人々に驚きと賞賛をもって迎えられた。瞬時にして景観を一変させ、短期間で消滅してしまうこれらの作品群は、アーティスト自らが繰り返し語り、追求して来たJOY(喜び)とBEAUTY(美)そのものの姿。
本展では、こうしたプロジェクトの構想、準備段階でクリストの手によって制作されたドローイングやコラージュ、実現した二人の作品の記録写真を中心に、初期から現在進行中のプロジェクトまで、クリスト・アンド・ジャンヌ=クロードの創造の魅力を一堂に概観できる。
なお、本展の開催に合わせ、クリストのドローイング、コラージュ、オリジナル版画、マルチプルなど販売作品の案内や売却の相談の受付も合わせて行う。
【展覧会概要】
クリスト・アンド・ジャンヌ=クロード展
会期:2013年12月10日(火)~12月21日(土)
開場時間:火‐土 11:00~18:00 ※日、月曜休廊
会場:TABLOID GALLERY
住所:東京都港区海岸2-6-24 TABLOID 1F
TEL:03-6435-3173
URL:www.tabloidgallery.com
出品作家:クリスト、クリスト・アンド・ジャンヌ=クロード
主催:SBIアートオークション株式会社
展示協力:MIMAS 札幌宮の森美術館、柳正彦