1954年、アルファ インダストリーズ(ALPHA INDUSTRIES)がアメリカで設立される。
アルファ インダストリーズ(ALPHA INDUSTRIES)は、1954年にアメリカで設立されたアパレルメーカー。
米軍用品供給メーカーとしてのアルファ インダストリーズの歴史は長く、1959年に当時の米国防省が軍用ジャケットの見直しを同社に依頼して以降、50年以上に渡って製品を提供している。競合他社を寄せ付けない生産数を誇るM-65フィールドジャケットや、米国陸・海・空軍パイロットが使用するMA-1フライトジャケットなどの軍用ジャケットをこれまでに4,000万着以上生産している。
現在では、軍用品のみならず、本格的なミリタリー仕様やタウンユースのアイテムが民間向けにも販売されている。中でも、前述のMA-1フライトジャケット(正式名称:「ジャケット・フライヤーズ・男性用インターメディエートタイプMA-1(MIL-J-8279)」は、これまでにデザインされた米軍向けの衣料品の中でも非常に人気の高いアイテム。
トム・クルーズが出演した映画『トップガン』の影響から、公開当時の日本でもブラックカラーのアルファ インダストリーズ製MA-1が大流行している。ただし、劇中でトム・クルーズが着用していたフライトジャケットはMA-1ではなくG-1で、同社製のものではない。また、90年代前半にはアメカジブームでもMA-1が人気アイテムとなっている。
このMA-1ジャケットが最初に開発されたのは、1940年代後半にまで遡る。ジェット時代の到来と共に、パイロットの快適さと安全性を保つための新しいフライトジャケットが必要とされていた当時、雨や呼吸によって湿ることで凍ってしまう当時のレザージャケットは使い物にならず、代わりに高品質のナイロンを採用し、軽量かつ保温性に優れた最初のナイロン製フライトジャケット、B-15フライトジャケットが開発された。ムートンの襟付きである点を除き、MA-1との違いはほとんどなく、実質的にこのB-15フライトジャケットがMA-1の原点であるといえる。