展覧会「ソール・ライターの原点 ニューヨークの色」が、東京・渋谷ヒカリエのヒカリエホールにて、2023年7月8日(土)から8月23日(水)まで開催される。
ソール・ライターは、1923年アメリカのピッツバーグに生まれた写真家だ。1950〜60年代のニューヨークをモノクロのスナップ写真で捉えるとともに、『ハーパーズ・バザー』のファッション写真を手がけたライターは、のちに「カラー写真のパイオニア」としても活躍。50代で表舞台から姿を消したものの、80代となった2006年、初の写真集『Early Color』を刊行してふたたび注目を集めることになった。
2013年にライターがこの世を去ったとき、その作品の大半は未整理であったものの、翌年よりアーカイブをデータベース化するプロジェクトがスタート、ライターの業績の全貌を詳らかにすることが試みられている。展覧会「ソール・ライターの原点 ニューヨークの色」では、新たに発掘された作品による大規模なカラースライド・プロジェクション、未公開のモノクロ写真、そして絵画など400点以上の作品を通して、ライターの創作と色彩感覚に光をあててゆく。
画家を志していたライターは、1946年、当時芸術の新たな中心地となりつつあったニューヨークに移住。この地で若く意欲的な芸術家と交流するなか、写真の表現媒体としての可能性を認識し、写真に取り組むようになる。本展では、1950〜60年代に撮影されたモノクロの写真作品を紹介。未発表のスナップ写真に加えて、アンディ・ウォーホルやジョン・ケージ、ユージン・スミスなど、当時交流のあったアーティストのポートレートを展示する。
ニューヨークの若いアーティストの多くと同じく経済的な問題を抱えていたライターは、自身の写真技術を活かし、1958年より『ハーパーズ・バザー』誌のカメラマンを務めるようになった。当時、カラー写真は商業的な用途で用いられる場合が多く、美術表現としては軽んじられていたものの、ライターはそうした偏見を持たず、自身の美意識を発揮したのだった。会場では、50〜60年代にかけてライターが手がけたファッション写真を目にすることができる。
本展では、「カラー写真のパイオニア」とも称されるライターが示した、卓越した色彩感覚にも着目。代表作『Early Color』のカラー写真を投影して紹介するとともに、世間から隠遁したのち、日記を綴るように描き続けた絵画作品も展示する。
展覧会「ソール・ライターの原点 ニューヨークの色」
会期:2023年7月8日(土)〜8月23日(水)
会場:ヒカリエホール ホールA
住所:東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ 9F
開場時間:11:00〜20:00(入場は19:30まで)
休館日:決まり次第告知
観覧料:一般 当1,800円(1,600円)、高校・大学生 1,000円(800円)、小・中学生 700円(500円)、未就学児 無料
※( )内は前売料金
※障がい者手帳の提示者本人および付添者1名は半額
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)